修繕積立金って…?

不動産をご所有されている方は、投資用・実需用を問わず毎月建物管理会社に修繕積立金を支払われていると思いますが、修繕積立金が何に使われているかご存知でしょうか?

本日は、修繕積立金がどのようなものに使用されているのかご説明させていただきます!

◆修繕積立金とは

修繕積立金とは、建物の将来の修繕に備え、積み立てられるお金のことです。

建物は時間が経てば経つほど劣化していき、建物の状態を維持する為には規模を問わず建物の修繕が必要不可欠です。

建物全体に足場やネットがかかっている現場を見たことがあると思いますが、図1のように大規模な修繕を行うような場合、主に修繕積立金が使用されます。

大規模修繕とはマンションのメンテナンスを行うことで、できるだけ長く住み続ける為に必要な修繕になります。

図1 大規模修繕の例

◆修繕積立金はどのように決まるの?

毎月支払われている修繕積立金がどのように決まるかご存じでしょうか?

意外と知らない方が多いと思いますが、マンションの管理組合が作成する“長期修繕計画”等を元に管理組合員の意見を聞いて、修繕積立金は決定します。

管理組合が作成する長期修繕計画記載の修繕積立金の決め方には2つの方法があります。

段階増額積立方式

段階増額積立方式は、最初は修繕積立金の額を安く設定し、3年・5年・10年などの一定期間ごとに、段階的に増額していく方式です。

段階的に修繕積立金の額が増額されていくので、最終的な負担は当初と比べ大きくなります。

➁均等積立方式

大きな災害等で大きな支出が必要になった場合などを除き、長期間にわたり原則として均一の金額を積み立てていく方式です。

築年数が浅いうちは割高になりますが、将来的に修繕積立金の額が大幅に増額することはありません。

段階増額積立方式と均等積立方式どちらがいいの?

国土交通省が発表した「マンションの修繕積立金に関するガイドライン」によると、将来にわたって安定的な修繕積立金を確保する観点から国土交通省は「均等積立方式」を推奨しています。

しかし、近年は段階的に増額していく段階増額積立方式を採用している管理組合が多く、平成18年度の国土交通省の調査では約68%が段階増額積立方式を採用していることが分かっています。

2018年国土交通省マンション総合調査より作成

段階増額積立方式を採用している管理組合が多い背景として、「物件の売主が売り出しをスムーズにするため」「比較的費用の掛からない1回目の大規模修繕工事を見据え修繕積立金を安く抑えるため」等、様々な理由がありますが、近年、修繕積立金の大幅値上げが問題視されていることもあり、2022年4月から「マンション管理計画認定制度」という新しい制度が始まります。

このような新制度が始まることで、不動産をご所有されている方がより安心して不動産を所有することが出来る1つの要因になるかもしれません。

◆まとめ

不動産を所有している限り、修繕積立金は切っても切れないものです。

まずはご自身の所有している物件の修繕積立金がどのように決まっているのかを把握する、出席出来る場合は総会に出席することから始めてみてはいかがでしょうか。